MOOCsによる教育無償化の一方、学費は毎年10%上がる

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Massive Open Online Courses (MOOCs)をご存知でしょうか?MOOCSはオンラインで提供される無料の講義の総称です。総称ですからMOOCsという団体はありません。大学が単体で提供しているものもあれば、いくつかの大学が団体を組織して提供しているものもあります。有名どころではedXやCourseraなどがあります。

無料と言っても、終了証が欲しければお金を払いなさいというフリーミアムのビジネスモデルなので、実際には無料ではありません。学費が無料ということであれば、University of the Peopleもあります。試験の費用はかかりますが、講義は無料で受けることができます。精査していないのであまりい加減なことは言えませんが、なかなか面白い取り組みだと思います。

講義はすべて英語のため、日本人には英語の壁があり、あまり普及していないのが現状です。また、無料オンライン講義を提供している日本の大学もありますが、いまいち盛り上がりに欠けています。あまり知られていませんが、appleが提供しているiTunes UもMOOCsのひとつです。日本の大学や高校も多数の講義を提供しています。

近年はアカデミックインフレーションが激しく、大学院進学率も高くなっています。英米では最低でも修士号は持っていないと昇進もままならないことが多いと聞きます。Google Financeなどで上場企業役員の学歴を見るとそれを垣間見ることができるはずです。尤も海外の大学院と日本の大学院では質が異なるので一概には言えませんが、私は日本の大学院を出る意味はあまりないように思います。(理由は諸事情により公言出来ませんが。)

いずれにせよ進学の圧力が強くなっているのは間違いありません。それに連動して、学費も高騰を続けています。イギリスでは国籍等によっても異なりますが、毎年10%程度の上昇がみられるそうです。日本でも国公立の学費が近い将来100万円を超えるとの試算もあります。

奨学金を利用して進学する人も多いようですが、奨学金は学生ローンです。後で支払えなくなって自己破産する人も少なくないようです。費用対効果を考えて進学を決めるべきです。これは大学院だけでなく、大学進学においても同じことです。みんなが行くから行くのではなく、自分で考え、借金してまで進学して、それ以上のリターンを得ることができるか慎重に検討すべきです。