災害時になぜ貧しい人が被害を被りやすいか?

地震が起きたとき、被害を被りやすいのはもちろん揺れが大きかった地域です。同じ地域であっても、家の構造上の強度が低い家の方が倒壊の可能性は高くなります。強度を出すためにはお金がかかります。つまり、お金で安全を買ていると言ってもいいのかもしれません。 

東南アジアの多くの地域では洪水が起きると、まず貧しい地域の人が水害に遭います。文献を読んだわけではないので下手なことは言えませんが、私が見る限り、貧しい人の住む地域、もっと言えばスラムは川沿いにあることが少なくありません。なぜかと考えてみると、やはり水です。水があれば食事や洗濯など生活に困りません。場合によっては川に何か使えるものが流れてくるかもしれません。便利な反面、川沿いに住んでいれば当然水害に遭う確率も高くなります。 

リスクはそれだけではありません。問題は水質です。スラムの人たちは恒常的に汚染された水に依存しているのです。 上水はどの国でも概ね管理されていますから、ある程度は問題なく使用できます。しかし、川にはしばしば未処理の下水のようなものが流れてきます。下水が厳しく管理されている国は少数ですから、川上に何があるかによって水質は大きく異なります。大きな目で見れば私たちは地球の消化器官のひとつであり、口から食べ物や水を摂取して、排泄します。排泄物は下水を通って自然に還元され、私たちはそれを間接的ではありますが、再び口にします。にもかかわらず、一部の地域では上水には配慮して下水にはほとんど配慮しません。下水の教育というのも必要なように思います。都市部の下水道が少しずつ傾斜がつけられ、所々ポンプで汲み上げられて処理場まで続いているということでさえ知らない人がほとんどです。

私たちが使っている上水は有料です。特に日本の水道水は飲用に用いても安全ですから(と言うよりも、多くの日本人がそのような認識さえ持っていない)、海外に行って水道水が飲めないと聞くと驚く人もいるようです。どのような用途であっても上水は有料ですから、貧しい人は水道を引くことができません。そうなると井戸を掘るか川の水を使用するかです。井戸は掘るのに技術、時間、費用が必要ですが、川の水は誰もが簡単にアクセスすることができます。川沿いに住む人はその選択肢しか残っていないのです。 フィリピンのIMF介入後の水道料金のように、ウオーターバロンが水道料金を牛耳ると大変なことになりそうです。水についてはまた機会を改めて書こうかと思います。