大統領の演説(パトリック・ハーラン)

アメリカが世界の動きをコントロールしている覇権国であることを否定できる人はいないでしょう。(金融に関してはシティではないかと言う議論はさておき)アメリカの大統領となれば、実質的世界ナンバーワンと言っても過言ではありません。

その大統領の演説の解説や裏話を盛り込んだのが本書です。大統領のスピーチには、アメリカ人の価値観、歴史、常識など、学校英語では学ぶことができない教養がたくさん書かれています。

私たちは各大統領の順番や代表的な政策くらいしか覚えていませんが、アメリカ人は各大統領に対するイメージを持っており、大統領候補と比較するなど、アメリカ人ならではの価値観をうかがい知ることができます。

近年、大学や企業においてプレゼンが重視されていますが、小手先のテクニックばかり目につきます。本来は人を動かすために人前で話すのだと思います。大統領のスピーチは人を説得して動かすことを目的としているため、非常に参考になるのではないかと思います。同時に、エトス、パトス、ロゴスの3要素についても学ぶことができますから、お値段以上の価値があると思います。

大学生だけでなく、高校生や社会人等、プレゼンやスピーチノウハウが必要な人にうってつけの教材です。