病気の時に思うこと

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独身で一人暮らしの時代、病気になると、このまま死ぬのかなぁと弱気になったりすることがありました。具合が悪くても食事の支度も洗濯もすべて自分でしなければなりません。自分で片づけなければ、服は脱いだ位置にずっと陣取っています。食器も洗わなければシンクに山積みになります。ゴミも捨てなければごみ屋敷になります。

親と同居していると親のありがたみはわかりにくいですが、一人暮らしをすると親のありがたさが痛いほどわかります。特に病気になるとそのありがたみは身に染みてわかります。若いうちは回復も早く、何とかなるものですが、年を取るとそうはいきません。独居の高齢者は常に不安と隣り合わせで生きているのかもしれません。そんなとき頼りになるのが友達です。(私は常々友達はいらないと断言していますのでかなり矛盾することになるのですが。)上野千鶴子氏の著書にはこの辺りの事情が大変詳しくリアルに書かれており勉強になります。合う合わないはあると思いますが、自分と異なる意見を受け入れることも大切なことです。是非一読されることをお勧めします。

では、結婚していれば病気になったときに、配偶者が助けてくれるかと言えば必ずしもそうとは言えません。結婚するときは、一部の人生を切り取って結婚するかしないか判断しています。その人が病気になったときや無職になったときのことはおそらく想定していません。ですから、病気になった、無職になったと同時に、お荷物になってしまうこともあるのです。

親の介護に疲れ、早く死んでほしいとさえ思う人がいるそうです。親はありがたい存在で、無償の愛を注いでくれた人ですから、平常時は、死んでほしいと思う自分がいることなど考えられないはずです。しかしながら介護に疲れてしまうと、そのようには考えられなくなることもあるようです。

ほとんどのことは健康であることが大前提で成り立っています。それが崩れたときのことを考える人はほとんどいません。自分が明日死ぬかもしれないと思っている人はいないと思いますが、実際には確率的にはかなり低くてもあり得ないことではなりません。健康な時に、もしも病気になったらとうことを少し考えてみると良いでしょう。そうすれば健康維持をしようというモチベーションになるはずです。