江戸時代商売図鑑

by

in

なんとなく読みたくなってしまい手に取った本です。江戸時代にはどんな商売があったのか興味がわき、ざっと読んでみたところ、現代のビジネスのヒントとなることがたくさん記載されていました。

小便仲間は尿を販売していたのだとか。江戸時代の大阪の街には小便用の桶が置かれていて、住民はそこで立小便をして、たまった頃を見計らって田舎の農家に売りに行ったそうです。糞尿は貴重な肥料であったことが分かります。エコであるだけでなく不用品を商品にしたところが賢く、また、地域格差を利用したビジネスであることも面白いところです。

どんな商売でも必ず、邪魔が入ったり、悪いことを考える人がいるものです。不当に農家に高い価格で売りつける者がいたり、水で薄めて販売する者がいたそうです。また、尿を貯める桶の所有権をめぐって家主と借家人のトラブルがしばしばあったそうです。現代にも糞尿を売るビジネスはあります。人糞から金を取り出すビジネスや、健康な人の排せつ物から善玉菌を取り出すビジネスもあるそうです。

他にも漁師から産地直送の魚を卸すデガエ船主は、今でいうところの羽田市場のようなものです。温泉宿には馬用の温泉もあったそうですから、今でいうところのペットホテルです。豊後では椎茸の人工栽培がはじめられたそうです。伊豆の天城でもわさびづくりが盛んになったそうです。寿司の需要が高まり、それに伴って技日の需要の増加したのだとか。時代は変われど、ビジネスモデルは変わらないものです。