BLM(Black Lives Matter)

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今日はアメリカにおける黒人の差別について考えてみましょう。

BLM(Black Lives Matter)が広がりを見せています。コロナ禍で人が集まることが憚られる環境下においても、各地に飛び火しました。

発端は白人警官が黒人に対して過剰な暴力で死に至らしめたことです。拘束理由は偽20ドル札を使った容疑だったことから「黒人の命は20ドルの価値しかないのか」と訴えるデモが始まったようです。非難を恐れずに言えば、犯罪であるかどうかということで、20ドルの価値しかないということではないと思います。

こうした問題は感情的になりがちで、本質を取り違えてしまうことがありますので注意が必要です。冷静にならないと議論が思わぬ方向に進むこともあります。

まず、「過剰な暴力」はウェブ上で見ることができますが、確かに過剰な気がしますが、銃社会では警官も自分の身を守る必要があることも考慮する必要があるかもしれません。また、報道ではどのような状況だったかは報じられていません。危険な地域であったのか、まわりに仲間がいたのか、常習犯だったのかなどの詳細情報は不明です。

次に、「相手が黒人だったから過剰な暴力をふるったのか」については過去に類似の事件が多いことからの先入観の可能性もあります。(もちろん人の命を奪うことは許されることではありません。)

私は差別がないと言っているのではありません。あくまでも冷静に考える必要があると言っているのです。黒人に対する差別は明らかにあります。下記の動画はそれをわかりやすく解説しています。

TED Edでも同じものを見ることができます。TED Edは確認テストやディスカッションがついているので利用してみるのも良いかと思います。TED EdはTEDのeducationカテゴリーです。主にイラストを使って、小中高レベルの教養を網羅しています。確認テストやディスカッションがついているのが特長です。因みにTEDx(テデックス)はTEDのローカル版です。

https://ed.ted.com/

ドキュメンタリー映画「ヤバい経済学」(2011年)にも黒人が差別されていることを物語るデータが収録されています。

私見ではありますが、やはり差別は貧困と密接な関係があり、卵が先が鶏が先かというようなもので、貧困が先が差別が先かという議論になるのではないかと思います。

この機会に差別について考えていただきたいと思います。自分とは異なった意見に遭遇したとき、「いや、そうではない!」と拒絶するのではなく、「そう言う考えかたがあるのかか」と視点を増やすことができれば良いですね。

【参考】

映画

  • それでも夜は明ける
  • ネルソンマンデラ
  • デトロイト
  • プレシャス
  • 最強のふたり
  • 大統領の執事の涙

  • 「他者」の起源 ノーベル賞作家のハーバード連続講演録 (集英社新書) トニ・モリスン (著)
  • アメリカ黒人の歴史 新版 (岩波新書)本田 創造
  • 黒人差別とアメリカ公民権運動 ―名もなき人々の戦いの記録  (集英社新書)ジェームス・M・バーダマン
  • アメリカ黒人の歴史 – 奴隷貿易からオバマ大統領まで (中公新書)上杉 忍
  • ルポ 差別と貧困の外国人労働者 (光文社新書)