ニュース・情報源について

Alisa Miller / How the news distorts our worldview

現代は情報化社会です。情報が収入格差を生み、情報が生死を分けることさえあります。しかしながらその情報はバイアスに満ちており、情報リテラシーがなければたちまち印象操作されてしまいます。

情報の非対称性が問題となっていますから、多くの人が情報を得るため、ネットサーフィンしています。しかし多くの人は情報過多に陥っていますから、むしろ入ってくる情報を抑制すべきです。にもかかわらず、逆のことをしているので、疲弊してしまうのです。

多くのニュースサイトはクロスレコメンドとして関連ニュースを表示します。また、自分の興味のある分野を設定しておけば関連したニュースしか表示されないようになり、ますます偏った知識の人間を生み出してしまいます。

セレンディピティ(偶然の出会い)がないのです。自分の興味のないニュースであっても、のちに何らかの形で役立つことはよくあることです。本屋に行って偶然手にした本が人生を変えたなんてこともあるはずです。

おそらく皆さんがよく見るであろうヤフーニュースなどはほとんどの人にとって不要な情報だと思います。芸能人が浮気しようが、みなさんには関係がないことです。しかしながら、そうしたニュースの方がクリック率(CTR)が高いため記事にして表示しているのです。

メディアも営利企業であることを忘れてはいけません。儲かることをやる、スポンサーの悪口は書かない、株主の顔色をうかがうのは常識なのです。

ニュースを読むうえで留意したいのは、もちろんバイアスですが、報じられないことは存在しないように思えてしまうのも問題です。また、ニュースは鮮度が命と言われていますから、「その後」についてはほとんど報じられません。「その後」に鮮度はないかもしれませんが、その後、どうなったかを知ることは大切なことだと思います。

【推薦図書】

  • 「本当のこと」を伝えない日本の新聞 / マーティン・ファクラー
  • 権力と新聞の大問題 / 望月 衣塑子 、 マーティン・ファクラー
  • 「アラブの春」の正体 / 重信メイ
  • 政府は必ず嘘をつく  /  堤未果
  • 武器としての決断思考 / 瀧本 哲史
  • 原発プロパガンダ / 本間龍
  • 情報生産者になる /  上野千鶴子
  • デジタル・ポピュリズム 操作される世論と民主主義 / 福田直子