印税は英語でroyaltyと言います。通常、royaltiesと複数形で使います。Royaltyには特許実施料や鉱山採掘権など印税に準ずる意味も含まれます。元はroyalですから、王族など「王」に関する意味もあります。
コロケーションは以下のものを覚えておけばよいでしょう。
receive a royalty of ~%:~%の印税を受け取る
publishing royalty:出版印税
a handsome royalty:かなりの額の印税
*handsomeには「かなりの」の意味があります。
treat ~ like royalty:特別扱いする
He always treats his girlfriend like royalty, buying her the best gifts and taking her to the finest restaurants.
彼はいつも彼女を特別扱い(王族のような扱い)をしていて、最高のプレゼントを買ってあげたり、最高級のレストランに連れて行ってあげます。
印税とは、著作権や特許権のような知的財産権をもつ人が、その権利を第三者に利用させる際に得る報酬のことを指します。たとえば、書籍や音楽、映画などの著作物を販売・放送するたびに、著作者に支払われる料金のことです。
具体例として音楽の場合の印税の流れを見ていきましょう。音楽作品には作詞家、作曲家、歌手(アーティスト)が関わっており、音楽会社やJASRAC、流通・販売業者が間に入って商品として皆さんの手元に届きます。
本来はもっと複雑なのですが、以下、ざっくりとした印税率です。
JASRAC(著作権管理団体):6%
音楽会社:47%
作詞:23.5%
作曲:23.5%
つまり、歌っているだけでは対して儲からないのです。作詞作曲にうまみがありますから、シンガーソングライターが一番儲かります。歌ってもたかだか1%程度の印税ですから、作詞作曲をして人気アーティストに楽曲を提供して歌ってもらえば、自分は汗もかかずにお金を手にできるわけです。バンドが解散する理由は、誰が作詞作曲をするかでもめるからとも言われています。
私が不思議に思うのは、アーティストが結婚するとファンを辞める行為です。そもそも一般人が結婚相手に選ばれる可能性はほぼゼロに等しいにもかかわらず、なぜその考えに至るのか不思議でなりません。候補に入っているわけがないのに。。。
さて、本の例も挙げてみましょう。
著者 | 10%(もっと低い場合の方が多い) |
出版社 | 60%(在庫、返本のリスク大) |
取次 | 8%(寡占、リスクなし) |
書店 | 22%(万引きされたら地獄) |
1,000円の本が10,000冊売れて印税率が10%の場合
1,000×10,000×0.1=1,000,000円
最近では10,000部売れることも稀ですから、出版だけで生計を立てることができる作家はほんの一握りです。出版は増刷されてこそ儲かるのです。お金を印刷しているようなものですから。
本屋さんに万引きに関する貼り紙が多いのは、上記のように仕入れ値が高いからです。最近は写メを撮るデジタル万引きも増えています。私は、書店数は民度の尺度だと思いますが、どんどん潰れていくのは残念なことです。
近年はkindleで誰もが簡単に出版することができます。通常の出版プロセスでは、著者の原稿をもとに、校正、編集、印刷、製本などの工程を経て、流通に乗り、書店で販売されます。Kindleの場合は著者とアマゾンだけで完結しますから、間に入っていた人たちの仕事は消滅します。
日本出版インフラセンターの調べによると、2010年に16,969あった書店数は、2020年には12,343に減少しています。この減少には歯止めがかかりそうにありません。
本を読む習慣を身につけて本屋さんを応援してあげたいですね。