子どもの歯の矯正

歯並びで育ちが分かると言われています。日本ではそうでもないかもしれませんが、アメリカでは歯並びが悪いと、「なぜ矯正しないのか?」と思われてしまいます。矯正をしたら商談がうまくまとまるようになったという話もあるくらいです。それくらい歯並びというのは大切なのです。

矯正と言うと、あのワイヤーみたいなものを想像し、なんだか痛い気がします。確かに、痛くはありますが、少しすると慣れるようです。私の周りにも大人になってから歯列矯正をした人がかなりいますが、年を取ってから矯正するのは、あまりお勧めしません。

人によるかもしれませんが、私の知っている限りでお話させてもらうと、矯正して大きく動かした歯が、年を取ってからぐらつき、最終的には抜かなければならなくなっている人が何人かいます。そうなると、ブリッジ、入れ歯、インプラントしか、解決策がなくなります。歯並びが悪いままにするか、ぐらつくリスクを覚悟の上、矯正して整えるかという選択肢になります。

歯列矯正は、矯正歯科によって価格が大きく異なります。ざっと100~200万円くらいです。矯正期間中、検診、調整のたびに時間とお金がかかります。はっきり言ってしまえば、大人になってからよりも、できれば子供のうちにしたいものです。

子どもの場合、歯が生えてくるとき、もしくは歯が生えて間もない時期に矯正しますから、将来的にぐらつくリスクは低いと言えます。なにより、きれいな歯並びのまま一生を過ごせるわけですから、かなり効率の良い投資と言えます。子どもの歯列矯正のリターンは、数千万、もしかすると億を超えるかもしれません。

歯並びが良ければ、歯が磨きやすいので虫歯になりにくいです。歯医者に行く時間と費用を節約できます。歯並びが良ければかみ合わせも良いので、食べ物をしっかりと咀嚼することができます。胃腸への負担が減り、病気にもなりにくいでしょう。さらに、歯並びが良いと第一印象が良くなります。これは計算できないほど大きなメリットです。

さらに良いことには子どもの歯列矯正には基本的にワイヤーによる矯正は不要です。世の中日々進歩しています。視力矯正にオルソケラトロジーがあるように、歯列矯正にも良い方法があるのです。それがマウスピースです。こちらもオルソケラトロジーと同じように、寝ている間にマウスピースをつけておくだけで歯並びが良くなるという歯列矯正です。

様々な種類のマウスピースが出ているようですが、私のところではmyobrace®というマウスピースを使っています。いくつか段階があり、その段階に合わせてマウスピースを変えていくので、勝手にマウスピースを買って装着しているわけではありません。念のため。矯正歯科で歯科医の指示の下(1ヶ月に1回の検診)、装着しています。

歯列矯正マウスピース容器
歯列矯正マウスピース容器

myobrace®の特徴は以下の通りです。

口呼吸から鼻呼吸へ

舌の位置の矯正

歯列矯正マウスピース(外側)
歯列矯正マウスピース(外側)
歯列矯正マウスピース(内側)
歯列矯正マウスピース(内側)

あれ?歯列の矯正は?と思われるかもしれませんが、実はそこが重要なところなのです。口呼吸をする、舌が正しいポジションに置かれていないことによって、歯並びが悪くなったり、発達及び健康上の問題が生じたりするのだそうです。

そこで、根本的な理由である口呼吸、舌の位置を矯正して、自然に歯並びが整うようにするというのがmyobrace®の歯列矯正方法です。

基本的には寝ている間に装着するのですが、きっと大人であれば口の中に物を入れた状態で寝ることはかなりの違和感があるはずです。子どもは先入観などありませんから、割とすんなりいくことが多いようです。もちろん100%上手くいくというのではなく、私のところでも、朝になると吐き出して床に落ちていたことが何度もありました。

寝ている時間以外にも1時間ほど装着しなければいけないのですが、勉強をしている間は基本的にしゃべりませんから、塾や学校の宿題をやっているときに装着すれば一石二鳥です。

子どもがマウスピースをつける上での問題は大きく分けて2つあると思います。一つはマウスピースをつけたまま喋ることです。マウスピースをつけたまま喋ると、入歯が口の中で外れたまま喋っている感じでカポカポします。滑稽で笑ってしまいますが、これは非常に良くありません。歯にも悪いですし、マウスピースも損傷します。ですから先述のように、勉強中に装着するのが一番です。

もうひとつは花粉症などアレルギーによる鼻づまりです。鼻呼吸にするためにマウスピースをしているのですが、鼻がつまっていては鼻呼吸はできませんから、口呼吸になります。そんなときは、眉間あたりに蒸しタオルを乗せてあげると鼻が通ることがあります。(濡れたハンカチやタオルは窒息の機嫌があるのでご注意ください。あくまでも自己責任で。小さい子どもには鼻炎スプレーは使えませんので、仕方なしに蒸しタオルにしました。鼻炎スプレーの使用上の注意をよく読んでください。)

鬼滅の刃が流行っている今であれば、「呼吸大事だよ」「水の呼吸」「全集中」などと冗談を交えながらマウスピースのトレーニングができそうです。

さて、結果ですが、現在のところ、私のところでは凸凹だった歯並びは非常に良くなっています。

最後に、マウスピースの臭いについて書いておきます。マウスピースを損傷しないように、中性洗剤とぬるま湯で洗っても、子どもの口からこんな臭いが出てくるのか?とえげつない臭いがするようになります。マウスピースに細かい傷がつき、そこに雑菌が繁殖しているのだと思います。定期的にポリデントのような洗浄剤を使って消毒すると良いでしょう。但し、マウスピースに使って良い洗浄剤なのかどうか、導入した歯科医に相談してみてください。