元マフィアが書いたビジネス書という珍しいビジネス書です。あらゆることをシットダウン1回で決める件はビジネスマンの参考になります。何の結論も出ない、もしくはあらかじめ結論が決まっているくだらない会議に、何時間も出席させられているビジネスマンも少なくないはずです。
よくよく考えてみれば、会社もマフィアも組織である点は変わりありません。また、上司を立てること、組織に忠誠を誓うこと、組織として利益を上げることなど、程度の差こそあれ、大きく変わらないように思います。サラリーマンに上納金はありませんが、間接的に上司に貢いでいます。また、サラリーマンは国にも上納していますから、何重にも搾取されていると言えます。
本書ではマキャベリかソロモンか、どちらの手法が最適かと議論されています。個人的にはイタリア人の国民性が如実に描かれているように感じます。口は禍の元であると繰り返し述べられていますが、喋ることが仕事である私は無口でいることが難しく、悩ましく思いました。