一昨年、日本ミツバチを入手しました。以前、西洋ミツバチを飼ったことがあったのですが、あまりにも大きく異なるので驚きました。日本ミツバチは在来種ということもあり、日本の気候に合っているのか、手間がかかりません。また、非常におとなしく、かわいらしくもあります。
西洋ミツバチが商業的な生物であるのに対し、日本ミツバチはペットという感じです。燻煙器を使わないのは特に驚きでした。西洋ミツバチの巣箱の近くに行っただけでかなり威嚇され、ネット帽子なしでは近寄りがたかったのですが、日本ミツバチではノーガードで巣箱の近くまで行っても何の問題もありません。黒い服を着たり、香水をつけていたりすれば別かもしれませんが、近くを歩いても私のことはあまり気にせず仕事をしているようです。
しかしまったく気にしないということではなく、私が巣門の近くで作業をしていると、仕事に出ていた蜂が続々と戻ってきてきました。それでも非常におとなしく、威嚇している様子ではありませんでした。西洋ミツバチ用の装備で作業に臨んだ私はなんだか場違いのような感じになりました。掌に載せて花粉をチェックしたりするうちにだんだん愛おしく思えてきました。
自家消費のために始めた日本ミツバチ飼育ですが、今後はまちおこしに活用したいと考えています。日本ミツバチは西洋ミツバチと比べ、集蜜力が弱いですが、それを補う魅力があるように思います。日本ミツバチは西洋ミツバチのような特性はないのですが、やり方次第ではマヌカハニーを超えるような商品開発もできないことはないかと思います。
イノベーションは不可能と思われていることを可能にすることです。ひとつの種類の花の蜜を集めるのは西洋ミツバチで、日本ミツバチは色々な花の蜜を集める百花蜜だと決めつけているところに間隙があるような気がします。いつかこの分野においてイノベーションを起こしたいと考えています。
なぜ日本ミツバチを飼おうと思ったか?
人よりも蜂の方が誠実だからです。人は条件を整えたからと言って必ずしも誠実に働くとは限りません。一方、蜂は条件さえ整えてあげればほぼ確実に最大限のパフォーマンスを発揮してくれます。こちらがそれなりにケアすれば期待を裏切らないのです。また、ミツバチは自分の土地以外のところからも蜜を集めてきてくれます。他人の未利用資産を集めてきてくれるのです。単に採るだけであれば見方を変えれば泥棒ですが、相手にもメリットがあります。植物を交配させ、立派な果実を実らせてくれるのです。いちご農家などでは蜜蜂なしで受粉させた場合、不格好な形の苺ができます。蜂に受粉してもらうと、皆さんが口にするような立派な形の苺ができます。梅やミカン畑でも蜂がいるのといないのでは収穫量に大きな差が生じるそうです。養蜂は双方にメリットがあるのです。