日本では難しいことが良いこととされています。しかし、難しいことを難しく伝えることは誰にでもできることです。難しいことを誰もが理解できるように易しくすることが能力と言えるでしょう。テクノロジーの進化により、皆さんが指一本もしくは音声だけで操作できるタスクの裏では非常に複雑なプロセスが実行されています。エンジニアが難しいことを簡単にしてくれたのです。
参考書においても、堅苦しいものよりも誰もが理解できる「かんたん」「わかる」というようなタイトルがついたものが売れています。ニーズはまさにそこにあるはずです。大学では「アカデミック=難しいことをする」というような風潮があるように思います。もちろん大学ですから、それなりに内容の濃いものでないと困りますが、難しくある必要はありません。教員が理解していること(本や論文から得た知識)をそのままを伝えるのではなく、学生が分かりやすいように工夫して伝えて欲しいと思います。難しいことを簡単にすることがプロフェッショナルの腕の見せ所であり、教える醍醐味ではないでしょうか。