医者が教える健康法、東大式勉強法などのタイトルを冠した本が多く出版されており、よく売れているようです。勉強ができるのは間違いないかと思いますが、医者や東大卒業者が教えることをすべて鵜呑みにするのは少々危険なように思います。権威絶対主義も危険です。何が危険かと言うと、人の言うことを鵜呑みにして自分で考えないようになる思考停止こそが一番危険なのです。
人に考えてもらうのは非常に楽なことです。自分で考えるの面倒と考える人が多いのも無理はありません。人に言われたことをやるのか、自分で考えて行動するのかという選択は、サラリーマンか起業するかの選択と類似しているところがあります。多くの日本人には前者の選択が向いているのでしょう。
様々な健康本も出版されていますが、それをすべて実行することは可能でしょうか?推奨されている栄養素をすべて摂取するとなると、朝から数十個のサプリメントを服用しなければなりません。結局のところ、バランスよく食べ、適度に体を動かし、早寝早起きをして規則正しい生活をすることが最高の健康維持法なのです。事実、ハーバード大学医学部でもそのような予防医学を推奨しています。(興味のある人はニュースレターを購読すると良いでしょう。無料です。)
私が病気のときに行く近所のクリニックがあります。私は大変失礼とは思いつつ、わが身を守るため、このような症状でこのような薬が欲しいと伝える事にしています。その医者はかなり高確率で誤診をしますので、その医者の診断は、逆に病気を特定するため(消去法)に必要だと考えています。近所で利便性が高いこと、ヤブ医者(失礼!)との悪評が高いため空いていて待ち時間が少ないことから、ちょっとした病気のときは利用しています。名誉のため申し添えておきますが、その先生は非常に温厚で、誰からも好かれるタイプです。
現状、医者は腕が良くても悪くても治療費は全国一律で変わりません。医者全てを優遇するのではなく、腕の良い医者にはより多くの報酬を払い、そうでない医者には反省してもらう方が良いでしょう。(当然のことですが、後で診断した医者の方が有利ですから、そのあたりは考慮しなければなりませんが。)競争原理に対する賛否はありますが、胡坐をかいてしまい精進を怠るようでは人の命を預かる者としては失格です。
医者は一定の割合で誤診があっても仕方ないと考えているかもしれません。たとえば歯医者に行って翌日に詰め物が取れたとします。当たり前のように治療費を請求されますが、考えてみればおかしなことです。仮に、内装屋さんに壁紙の貼り替えを頼み、翌日にそれが剥離してしまったとします。内装屋さんは無料で補修するはずです。歯医者さんは翌日に詰め物が取れても謝罪もせずに治療費まで請求します。医者も同じです。誤診でも返金はしません。このあたりは一考の余地があるかもしれません。