最近、「こんな仕事はなくなる」「あなたの仕事は大丈夫」と不安を煽るような宣伝を目にします。広告主が誰かは置いといて、記事の出所はオックスフォード大学のCarl Benedikt Frey氏とMichael A, Osborne氏の論文です。
*Osborne氏のプロフィール(http://www.robots.ox.ac.uk/~mosb/)
論文名はThe future of employment: How susceptible are jobs to computerizationです。コンピュータ化によって影響を受けるであろう702の職業を、コンピュータ化されそうなスコアをつけてリスト化したものがappendixに掲載しています。
上記論文より、最もコンピュータ化されそうにない職業と最もコンピュータ化されそうな職業のトップ10をリストします。
【コンピュータ化されそうにない職業トップ10】
- Recreational Therapists
- First-Line Supervisors of Mechanics, Installers, and Repairers
- Emergency Management Directors
- Mental Health and Substance Abuse Social Workers
- Audiologists
- Occupational Therapists
- Orthotists and Prosthetists
- Healthcare Social Workers
- Oral and Maxillofacial Surgeons
- First-Line Supervisors of Fire Fighting and Prevention Workers
【コンピュータ化されそうな職業トップ10】
- New Accounts Clerks
- Photographic Process Workers and Processing Machine Operators
- Tax Preparers
- Cargo and Freight Agents
- Watch Repairers
- Insurance Underwriters
- Mathematical Technicians
- Sewers, Hand
- Title Examiners, Abstractors, and Searchers
- Telemarketers
トップ10以下で個人的に気になるところをピックアップしてみます。コンピュータ化されそうな職業として、融資担当者、司書、運転手、会計士、テレフォンオペレーター、宅建士、調理師、事務員、ブリーダー、製造、修理などが挙げられています。融資はLenders Club、運転手は自動運転、会計は”freee”やMFクラウドなどが既に存在しますから納得がいきます。ブリーダーはどのようにコンピュータ化されるか興味深いところです。
一方、コンピュータ化されにくい職業は振付師、医者、栄養士、ソーシャルワーカー、歯科医、カウンセラー、スポーツトレーナー、システムアナリストなどが挙げられています。一見どれもコンピュータに代替されそうにないように思えますが、AIにかかればいずれの職業も代替可能です。小説を書くAIもありますから、献立やケアプランを考えることもできるはずです。手術は難しいかもしれませんが、問診して薬を処方するくらいならAIでもできます。医者の場合は業界圧力によって法律による規制をするのでコンピュータ化されにくい職業なのかもしれません。
近い将来、半分くらいの職業はコンピュータ化されるそうですから、職業の選択は慎重にしなければなりません。