なぜ日本株ではなく、アメリカ株に投資すべきなのでしょうか?それは、アメリカ株に投資する方が日本株に投資するよりもはるかに多くのメリットがあるからです。
アメリカ株に投資するメリットとデメリット
世界中のお金が集まる
アメリカの市場には世界中からお金が集まります。もちろん中国の台頭によって、今後、多少勢力図は変わるかもしれませんが、当面の間はアメリカの市場に最もお金が集まることは疑いの余地がありません。お金が集まらない市場に投資しても株価は下がるだけです。お金が集まるところに投資するのは儲けるための絶対条件です。
高配当の企業が多い
アメリカ市場に上場している企業は、基本的に株主への還元を主軸に置いています。還元の方法は配当と、株価の上昇があります。単なる配当ではなく、数十年連続増配(配当が毎年増える)企業もあります。一方で、配当は出さずに業績を上げて株価の上昇によって株主に還元する企業もあります。又は、その両方で報いる企業もあります。日本のような株主優待などはありませんが、配当に重点を置いてる企業が多いのです。株主優待でもらえるような商品は配当をもらって買えば良いので、高配当は合理的です。
収益力の高いグローバル企業が多い
日系企業で収益力の高いグローバル企業はほとんどありません。マクドナルド、ウーバーイーツ、スターバックスなどは世界中で展開しており、莫大なお金が世界中から集まってきます。どこかの国で景気が悪くてもどこかの国ではバブルだったりしますので、リスクヘッジになっていたりします。アメリカ市場には収益力の高いグローバル企業がごろごろしているのです。
長期で見れば右肩上がりの成長をしている
アメリカ株は長期でみれば、右肩上がりに成長しています。もちろん多少の上下はありますが、右肩上がりのトレンドです。言葉を変えれば、バブルがはじけてどんなに株価が下落しようとも、必ず前のピークを越えているということです。ですから高値圏であっても、長期投資であればどのタイミングで買っても損はしないのです。一方、日本の株価は未だバブル期にまだ到達しておりません。バブルの頂点で購入した人たちはまだ含み損を抱えているのです。
世界中に投資できる
現時点で、日本から投資できる国は限られています。しかしアメリカ市場には様々な国の企業が上場しています。アメリカ市場で日本株を買うこともできるのです。たとえばインドが急成長していると知っていても、日本からインド株を買うことはできません。しかし、アメリカ市場では ADR を通してインド株に投資することができます。また、ETF の種類もかなり多いので、買えない商品はないと言っても過言ではありません。
ドル資産でリスク分散ができる
「卵は一つのかごに盛るな」と言います。資産を円だけで持っているのはリスクです。円だけで資産を持っていると、円安になった時は不利になってしまいます。いろいろ言われていますが、ドルは世界で最も安全な資産のひとつです。配当もドルで受け取れますから、外貨を稼ぐ手段が一つ増えるわけです。
小額から投資できる
少額から投資できるのもアメリカ株の強みです。単元株制度(100株単位でないと購入できない)がないので、一株から買うことができます。世界的な企業に数千円から投資ができるのです。Amazon、Google、バークシャーハサウェイなど高額な株もありますが、ほとんどの株は数千円から数万円で購入することができます。実際には、少額投資は手数料が割高となるため、おすすめはできませんが、少なくとも日本株に投資するよりも可能性はあります。
情報開示が進んでいるので不正が少ない
情報開示が進んでいるというのもアメリカ株の特徴です。十分な情報を受けた上で投資ができるのです。情報開示が進めば不正は少なくなります。もちろん、全く不正がないとは言いませんが、少なくとも不正をなくそうという姿勢は伺えます。日本よりも情報が多く、不正が少ないのは間違いありません。
ダイナミックな値動きをする株が多い
アメリカ株は良くも悪くもダイナミックな動きをします。アメリカ株は、日本株とは異なり、値幅制限がありません。値幅制限がないと言っても、サーキットブレーカーというものがあり、急落時には取引が一時停止されることもあります。
ここまでアメリカ株に投資するメリットを列挙してきました。冷静に判断するために、デメリットについても考えてみましょう。
為替リスクがある
当たり前ですが、為替は毎日動きます。一日で大きく振れることはありませんが、長期で見れば20∼30%程度は普通に変動します。株の利益が為替で吹き飛んでしまうこともざらにあります。為替レートの有利なタイミングで両替をしたいところです。しかしながら、為替の動きを待って、チャンスを逃すことはしたくありません。2倍、3倍になる株もあるので、為替差損を差し引いても利益が出ることもあります。
二重に手数料がかかる
アメリカ株を購入するときはドルで購入します。つまり、円からドルに両替しなければなりません。アメリカ株を売って現金化するとドルになります。そのドルを円に変えなければなりません。両替には両替手数料がかかります。売却益を使いたいときは、日本円にすることになりますので、往復で両替手数料がかかります。売却後、そのままドルで置いておくこともできます。頻繁に円に両替して引き出すような人は、アメリカ株への投資は向いていないかもしれません。他に、売買手数料もかかります。つまり、アメリカ株の売買には、売買手数料と為替手数料が発生するのです。しかも売買手数料は日本株に比べて割高です。最近は安くなりましたが。日本株であれば為替手数料はかからないので、非常に安い売買手数料だけの負担で済みます。
二重課税される
詳細はあらためて説明しますが、ざっくり言えば、利益が出たら、アメリカ側と日本の両方で課税されてしまいます。課税されるということは利益が出ているということなのですが、せっかくの利益が税金で目減りしてしまうのは気持ちの良いものではありません。脱税は絶対にいけませんが、納税額を減らす節税スキームは考えるべきです。簡単な方法として、日本側の課税は NISA 口座などを使うことによって回避することができます。
日本語の情報が少ない
最後のデメリットは日本語の情報が少ないということです。最近は証券会社が日本語で多くの情報を提供してくれていますが、英語に比べるとかなり情報量は少ないですし、タイムラグもあります。タイムラグがあると、急な変動に対応できない可能性があります。しかし、このデメリットは英語ができれば何も問題ありません。