私のところではシアトル出身のアメリカ人女性に家庭教師をお願いしています。あるとき、彼女が猫のイラストが入ったパーカーを着て来ました。猫のイラストの上には”PRECIOUS”と書かれていました。
レッスン後に子どもが「なんて書いてあるの?」と聞くと、”Oh, it’s precious「かわいい」.”と言いました。よく考えてみると、preciousは「貴重な」という意味で習った人が多いのではないでしょうか。ツシマヤマネコのような「貴重な猫」なのかなと思ってしまう人もいるかもしれません。
ひとつの単語にひとつの意味、二つ以上の意味があれば多義語として処理してしまうのも問題ですが、英英辞典を引かないのも問題です。そもそも英和辞典というのはよく使う訳を順番に載せているだけで定義を載せているわけではありません。本来であれば定義を覚え、文脈に応じて訳を当てるのが適切な方法だと思います。
Oxfordの辞書によるとpreciousは”Of great value; not to be wasted or treated carelessly.”, “Greatly loved or treasured by someone.”と書かれています。
価値があり、貴重であるから大切になければならないし、かわいいと考えると、preciousの意味が頭に入りやすいのではないでしょうか。
preciousで思い出しましたが、同名の映画があります。泥臭い映画ではあるのですが、アメリカが抱える様々な社会問題を映し出しており、秀逸な映画です。見方を変えると、日本の将来予想図と考えることもできそうです。性的描写や暴力シーンなどもあるので苦手な人は見ない方が良いでしょう。