誰が提唱したか知りませんが、子どもの能力開発のため、1日最低10冊は絵本を読み聞かせしなさいと言われているらしい。お上(嫁)からの命令で私も実践している。10冊読むのはなかなか大変である。短いものであれば良いが、年齢が上がるにつれ、1冊が長い。それを音読で10冊だから、短い絵本に手が伸びてしまうのは人間の性なのかもしれない。
それはさておき、よくよく考えてみると絵本はおかしなことが多い。豚と狼が仲良く話していたりすると、「自然界であれば食べられるな。」とか、「そもそも動物が言葉を話さないだろう。」「たとえ同族で話したとしても他の動物とのコミュニケーションは無理だろう。」と考えてしまう。他にも、狼が息を吹きかけただけで、たとえ藁の家であっても飛ぶことはないなど、疑問がとめどなく溢れて来る。
絵本はファンタジーの世界なので、それで良いのであるが、大人になって冷静に考えてみるとなかなか面白い。ふと思ったのが、アダルトではなく、大人の教養を高めるような「大人の絵本」があったらいいなぁと。知識を詰め込むような本はたくさん出版されているが、考える本はあまり出版されていない。動物の行動を通して、ビジネスの戦略であるとか、家族愛などを考える絵本をぜひ出版してほしい。
大人になると現実ばかりに目を向け、フィクションから遠ざかる傾向があるが、大人こそ、フィクションを参考にすべきだ。空飛ぶ車は何十年も前から漫画の世界に登場している。それが今、現実に販売されている。ありそうになりことが現実化するのが現代なのである。現実ばかり見ていないで、たまにはファンタジー、フィクションの世界にも目を向けてみるのも良いだろう。