映画:大統領の執事の涙(2013)ネタばれあり

実在したホワイトハウスの黒人執事をモデルにした映画です。大統領の執事のお話ではあるのですが、私はタイトルとの間に少しギャップを感じました。実はこの映画のタイトルはThe Butlerだったのですが、権利の問題があり、Lee Daniels’ The Butlerに変更されました。それに伴ってこのタイトルになったと思いますが、どうもしっくりこない感じがします。

確かに政治色はあるのですが、執事という職業というだけで、本質は父子の愛を描いたヒューマンドラマです。人種差別のある時代に(今もありますが)父親は大統領の執事で政治マターはタブー、息子は政治活動家という立場が話の中心となります。その映画では主人公の幼少期から老年期まで描写されています。老いていく過程、成長の過程を見ることができます。Forest Whitakerの老年期の演技はなかなかのものです。

映画の中では差別語もたくさん出てきますが、それらを学校で習うことはないでしょう。当然のことながら、そのような差別用語を使うべきではありませんが、存在した事実は知っておくべきでしょう。法の下の平等が保証され、表面上は差別は根絶されたように教えられますが、差別は間違いなく存在します。アメリカへ行けば白人が圧倒的有利であることを身をもって知らされることになります。人間が存在する限り、差別はなくなることはないでしょう。