研究者は研究費を使い切らなければなりません。年度末の道路工事同様、予算消化です。学者、役人、政治家は、税金だから、人のお金だから良いという感覚で使っているような気がします。血税と言うと陳腐な言い方かもしれませんが、国民から集めた貴重な財源であることは間違いありません。それを無駄に使うことは許されるべきことではありません。
政治家の視察旅行がほとんど観光旅行であることは周知の事実です。こうしたことはもうやめるべきです。自分のお金で勝手に観光をしてください。学者で言えば学会がそれにあたります。開催場所は持ち回りですから全国各地で開催され、学会規模によりますが、たいていは数日間行われます。1泊2日もしくは2泊3日の観光旅行です。費用は大学から出たり、研究費から出したりします。すべてではないにしろ、税金が原資です。
タイトルにあるクリップ1個1円のお話をしましょう。私が研究室にいた頃、研究費を節約して使ったため、かなり余ってしまいました。ボスから収支をゼロにして使い切りなさいと言われ、生協にあるカタログからゼロになるよう計算をしていました。外部で買って領収書をもらうこともできますが、生協で買うとすべての処理を代行してくれる利点があるので、多くの研究者は生協を通します。最後の数円の収支が合わなかったときに言われたのが「クリップ1個1円です」でした。余ったら返して他のことに使えば良いのにと、この時ばかりは悲しい気持ちになりました。