Cash is king

私の父は無遅刻無欠勤で定年まで勤め上げた典型的な日本人です。私とは対照的で、そのような堅実な父親からよく私のような人間が生まれたなと不思議に思います。その堅実な父親とある日、車を見に行きました。父は少し車を見ると、「これください」と現金で車を買いました。私は堅実な父が、高額な車を「これください」と言って現金で買ったのに驚きました。

同時に、現金払いは値引きも多く、お得であると感じました。めったに親子で買い物に行く機会もなかったので、もしかしたらCash is kingを教えてくれたのかもしれません。現金取引はお店にメリットが多いので値引きもしやすいのでしょう。クレジットの場合、3~5%程度を手数料としてクレジットカード会社に取られます。また、入金までのタイムラグもあります。現金であればクレジットの手数料分儲かると考えることができます。また、キャッシュフローも良くなります。現金はお互いにメリットがある取引です。

キャッシュでまとめ買いとなればさらにお得です。私も仕入れの際にはよくまとめ買いします(注)。さすがにあまりにも金額が大きいときはカードなどで支払います。アフリカではボールペンをダースで仕入れて1本ずつ売るだけでもビジネスとして成立しているそうです。かの有名な投資家、ウォーレンバフェットも幼少期、まとめ買いした物をばら売りしたり、組み合わせを変えて販売して儲けていたそうです。

(注)信用状況や補償状況によってクレジット決済や他の決済方法にすることもあります。

キャッシュではない資産としては、株などの有価証券と不動産があります。この2つはキャピタルゲインとインカムゲインを生み出してくれる可能性がありますが、現金化するために時間がかかり、流動性が低いと言わざるを得ません。私も様々な投資を国内外でしてきましたが、結局のところ一番効率が良いのは現金に稼がせることです。預金金利の高いところで運用するのが最高の投資です。可能であればその国に住み、その金利で生活することです。そうすれば為替リスクもありません。

キャピタルゲイン(capital gain)とは資産そのものの値上がり等で利益を得ることです。たとえば購入した不動産が値上がりして売り抜いて儲けた、購入した株が値上がりして売り抜いて儲けた場合です。一方、インカムゲイン(income gain)とは資産そのものではなく、運用で利益を得ることです。たとえば購入した株式から配当を得た、購入した不動産を賃貸に出して家賃収入を得た場合です。

不動産や株はある程度の目利きが必要です。プロと詐欺師のような人たちが跋扈する世界ですから、鉄火場です。素人が手を出したところで食い物にされるだけです。情報量に圧倒的な差があるので儲けるのは難しいのです。

現金はどうでしょうか?現金のプロはいるのでしょうか?強いて言えば銀行員でしょうか。銀行員は基本的には融資のプロであって現金のプロではありません。現金は金利を得るだけですから、基本的にキャピタルゲインはありませんが、素人でもインカムゲインを得ることができます。難しい知識は必要ありません。素人でも判断できるのでプロがいないのです。

話はだいぶ脱線しましたが、やはりキャシュが王様であることには変わりありません。下手な運用をするのであれば銀行に預けておいたほうが減らないだけましなのかもしれません。但し、日本の銀行に預けていてはお先真っ暗です。有名なところではカンボジアのドル預金です。カンボジアでは現地通貨であるリエル、タイバーツ、USドル、いずれかの通貨を選び口座を開くことができます。今はだいぶ低くなりましたが、以前は5%を超えていました。他にも年利5%を超える国はたくさんあります。海外の銀行の高金利を享受しましょう。