私が感動した映画トップ10に入るのが本作品です。小さい子供を持つ親は、子供のために頑張ろうという意欲がわいてくる映画です。
日本ではリストラは日常茶飯事ではありませんから、リアリティは感じないかもしれませんが、アメリカでは日常茶飯事の光景です。言い方は悪いですが、中間層よりも下の階層でよく見られる光景です。
アメリカは豊かなイメージがありますが、実は貧困が跋扈している国でもあります。中間層であっても、病気ひとつすればいきなり貧困層に転げ落ちてしまうのです。アメリカの現状を知りたい人は、「幸せのちから」を見る前に、堤未果さんの貧困大国アメリカをご一読ください。そこには日本の未来予想図であるアメリカの姿が描かれています。余談ですが、堤未果さんのアメリカに関する本は面白いものばかりです。最近は、少しネタ切れの感じがしなくもありませんが。。。
話を本編に戻しましょう。子どものため、そして自分のために奮闘努力する姿に心打たれることでしょう。何をやってもうまくいかず、どんどん落ちぶれてい行き、子どもと一緒に公衆トイレに寝泊まりするシーンでは涙が自然と流れ出てしまいます。努力を重ね、ついには成功を手にします。現実はそう甘くはないのですが、やはり苦労の上に、成功があるのは見ていて気持ち良いものです。
日本人は「外資系」という言葉に弱いような気がします。「外資系で働いていた」と言うと、羨望のまなざしで見られることがありますが、「外資系」は日本以外の国の資本すべてを意味するはずです。たとえば世界一貧しい国の企業で働いていても外資系で働いていると言えるのです。みんなが勝手に、アメリカをはじめとする先進国の企業だと決めつけているだけなのです。
外資系企業は給料が良いというイメージがあるかもしれませんが、確かにそういうところも多いですが、会社次第です。日系企業よりも安い会社もありますので、一概には言えません。外資系企業、特に米系企業の顕著ですが、結果を出せなければ首は当たり前です。突然、荷物を持って会議室へ集合、解雇を言い渡され、ID没収、警備員に付き添われ、メールにもアクセスできず、会社を後にするケースもあります。それを非情というのか合理的というのかはわかりませんが、日本の企業では少ないように思います。
ウイルスミスの名演技が光ります!
繰り返しになりますが、映画「幸せのちから」は私が見た中でもトップ10に入る感動映画です。私に小さい子供がいるから感情移入しやすいのかもしれませんが、感動だけではなく、もしもそのような状況に自分が置かれたら、そこまで頑張れるだろうか?いや、頑張るしかない!と奮い立たされる部分もあります。
歯車が少し狂うと貧困層に落ちぶれてしまう、貧困層はなかなか這い上がることができないアメリカの現実を如実に描写しています。勘の良い人であれば、日本もいずれそうなることを容易に想像できることでしょう。