サウジアラビアとUnited Arab Emirates(UAE)が遂にVATを導入

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数年前、イギリス公営放送BBCがサウジアラビアとアラブ首長国連邦が1月1日より5%のVATを導入すると報じました。これらの国はタックスフリーとして長年多くの外国人を惹きつけてきましたが、原油価格の下落により財政難に陥ったため、導入を余儀なくされたのだとか。医療や免税されるサービスなどもあるようです。

またもや足りないから増税という安易な解決策です。この手の解決策は誰でもできます。電力会社のよくある言い訳で、原料が高騰したとか、震災によってどうこうとか、御託ばかり並べますが、リスク管理して安定させるのが公共サービスの経営ではないでしょうか?原料費が上がったから値上げですというのは、偏差値が高くなくても、もっと言えば小学生でもできる経営です。間接的ではありますが、電気代も税金の一部となっている感が否めません。

為替リスクも同じです。輸出メーカーが円高になると「限界です」とコメントすることがありますが、変動相場制であれば1ドル1円も1ドル1万円も、ほとんど可能性はゼロに近いとしても、あり得ないことはありません。極端な話をすれば、そんなに安定させたかったら固定相場やバスケットにすれば良いのです。震災の時も「想定外」という言葉を何度も耳にしましたが、人の命を預かるような重大なことであれば、想定外など通用しないのです。

豆知識:サウジアラビアとアラブ首長国連邦の違い

国が異なるので違いも何もないのですが、ネット上では「サウジアラビアとアラブ首長国連邦の違い」で検索されることが多いようです。おそらくアラブ首長国連邦がサウジアラビアに隣接する小さな連合国であること、あるいは日本人にはドバイのイメージが強すぎて国の存在感が希薄なことからごっちゃになっているのかもしれません。

サウジアラビアは通称で、正式名称はサウジアラビア王国、主とはリヤドでサウード家が国王の座を支配している絶対君主制の国家です。人口は約2,900万人です。イスラム教の聖地メッカはこの国にあります。主要産業は石油で、世界第2の石油埋蔵量を誇る経済的に豊かな国です。因みに埋蔵量一位はベネズエラです。実は日本も4,400万バレルで世界79位にランキングしています。

アラブ首長国連邦は英語でUnited Arab Emirates(UAE)と表記されます。Unitedからわかるように連邦国家です。7つの首長国から構成されています。アラブ首長国連邦という国名や首都のアブダビよりも、ドバイと聞けばピンとくる人が多いことでしょう。世界一高いブルジュ・ハリファ、帆のような形をした最低でも一泊20万円程するブルジュ・アル・アラブなどで有名です。

豆知識:VATと消費税の違い

消費者の立場からすれば基本的に違いはありません。

VAT(Value-Added Tax)は付加価値税と訳されます。一方、消費税は英語にするとConsumption Taxです。付加価値税は生み出される価値に税を課し、消費税は消費に対して税を課すのが大きな違いですが、消費者が払う金額はどちらであろうと変わりません。