人生において一切の例外がなく100%確実なことは誰もが死ぬということです。
しかしながら、現代社会においては死を遠ざけようとする傾向があります。現代人は、健康で長生きできるという幻想を抱いています。私が所属していた研究室でも、そのようなことばかり、研究している人がほとんどでした。その中で、薬物依存症、性感染症を研究していたのですから浮いて当然です。
それではさておき、私たちはもう少し死について考えるべきです。最近は田舎であっても葬式はセレモニーホールのようなところで執り行われ、言い方が適切ではないかもしれませんんが、仏様(死体)を近くで見る機会がありません。身内の死というのは耐えがたく悲しいものですが、人は死ぬということを身をもって教えてくれているのではないかと思います。
最近は、地域によって安楽死という選択肢もあり、死ぬ日を決めることもできるようです。また、北欧では胃ろうをしないから寝たきりがいないそうです。死に方というのも多様化しているように思います。
日本ではお葬式になるとお坊さんを呼ぶことがほとんどですが、不明瞭会計です。そこで明朗会計のアマゾン「お坊さん便」が登場して人気となったわけですが、仏教界からかなりの圧力がかかったと聞いています。田舎のお寺は勘違いしていますからいい薬になったのではないかと思います。
死後、家族に墓守をしてもらうのは申し訳ないので、私は海に散骨してほしいと思うのですが、最近は海洋不法投棄として問題となっているようです。廃棄物の扱いですから仕方がないかもしれません。実際に桜の木の下に散骨している自治体があるのですが、近隣から苦情が来ているようです。
地獄の沙汰も金次第ではありませんが、お金がないと死ぬことすらできないのかもしれません。私は海に散骨を諦め、昔ながらの鳥葬にしてもらいたいと思います。ハゲワシであれば、仮に私が何かの病原菌を持っていたとしても、強力な胃酸で病原菌を殲滅してくれることでしょう。(ハゲワシがなぜ禿げているかも調べると面白いですよ)
「死」「生死観」については以下のような本があります。このトピックは宗教にも大きく関連しているので、宗教関連の本を読むのも良いと思います。宗教関連のトピックはあらためて取り上げます。
- Death (Shelly Kagan) 読むのであれば洋書で読むべきです。
- 死の壁(養老孟司)おなじみの養老先生の著書です。
- 生と死の取扱説明書(苫米地英人)脳科学者の苫米地さんの著書は独特の世界観があります。
- 死体は語る(上野正彦)私も監察医事務所に出入りさせていただいたことがありますが、監察医というお仕事をもっと知っていただきたいと思います。
- Death’s Acre: Inside the Legendary Forensic Lab the Body Farm Where the Dead Do Tell Tales(Patricia D. Cornwell)いわゆる死体農場です。アメリカならではの研究です。
- 事件現場清掃人が行く(高江洲敦)いろいろな死に方があります。
- エンジェルフライト国際霊柩送還士(佐々涼子)海外で亡くなった場合どのようにして日本に運ばれるのだろうか?
- 世界のすごいお葬式(Doughty Caitlin)