経営を知り尽くしているはずの経営学部の教授はなぜお金持ちになれないのか?

理論と実践は異なります。学問は知識の蓄積であるが故、過去にベクトルが向いています。一方、実践というのはこれからすることですから、未来にベクトルが向いています。非常に対照的なものと言えます。

経営を学びたかったら、やはり実践です。現場に行き、人の話を聞くことです。高額なコンサルタント料を取る高名なコンサルタントの分析や提案は、会社の上層部は知らなくても、現場の人間であればだれもが知っていることだったりします。

そもそも企業がコンサルタントを入れる理由は、経営云々という問題ではないからです。何かあったとき(業績悪化など)、自分の責任を回避するためです。有名なコンサルティングファームがやってもダメだったと言えるからです。

学問は所詮学問です。ですから大学で学問を身につけて、社会に出てからそれを役立てようなどと思わないことです。学問は学問として割り切って学ぶ、学びを楽しむ道楽なのです。経営学の先生は経営学を教えることによって生計を立てているのであり、実務としての経営によって生計を立てているのではありません。そもそも大学の先生というのは研究者であることが多く、学校以外の世界には一度も出たことがない世間知らずが圧倒的に多いのですから、社会のことを言われても説得力がありません。

教育現場では無理難題を押し付けてくる親を「モンスターペアレンツ」と呼んでいますが、私の知る限り(小さな世界ですが)、先生の考え方のほうが偏狭で「モンスターティーチャー」のように思えます。(なかには本当にモンスターもいると思いますが)学校の先生よりも保護者の方々のほうが、社会的経験値が高いことが多いですから、大学卒業後、学校という保護された社会の一部しか見ていない教員からするとモンスターに見えてしまうのかもしれません。

話を経営学に戻します。大学以外の場所で一度も活躍したことがない人に、経営能力がある可能性は非常に低いと言わざるを得ません。堀江氏(ホリエモン)が京大の教授に苦言を呈したことがあります。ある教授が大学の給与は低いと明細を見せて嘆いたのに対し、堀江氏は、民間ではあなたのような人はそんなに給与はもらえない。むしろ雇う人などいないと一蹴したというような話だったと思います。(間違っていたらごめんなさい)

私も堀江氏と100%同じ意見です。今までにお会いした大学の先生で、素晴らしい能力と社会性を持ち、社会に出ても十分通用する人はほとんどいませんでした。おそらくそのような能力があったら大学の先生などにならないのかもしれません。いずれにせよ、日本の大学で学ぶことは学問であり、道楽なのです。