成功の秘訣とは

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まずは「幸せ」とは何か?「成功とは何か?」を定義する必要があるかもしれません。多くの人にとって「幸せ」や「成功」はお金を意味すると思います。しかしお金があったら本当に幸せなのでしょうか?矛盾するかもしれませんが、幸せになるためにはある程度(最低限)のお金は必要かもしれません。しかしながら、幸せになるためにジェフベゾスのような一国の国家予算にも匹敵するような資産は必要ないかもしれません。

思うに、「多様性」が幸せになるためのヒントになるかもしれません。と言うのも、多くの日本人は「自分は平均的な日本人だ」「中流家庭だ」というように、「普通」を好みます。最低ラインが「普通」なのです。そして、上を目指す場合、競争して出世(受験戦争も同じ)を目指します。具体的には「いい大学(偏差値の高い大学)」に入って「いい会社(大企業もしくは官僚)」に入ることを目指すのです。

同期入社の内、出世できる人数は年々減っていきます。なぜなら会社はピラミッド構造になっているから、上に行くほどポストは少なくなるのです。では一生懸命やれば出世できるのかと言えば、必ずしもそうではありません。学閥のようなものがあり、入社時から出世できる人とそうでない人がほとんど決まっているのです。

それでもいい大学に行っていい会社に入ることが「幸せ」「成功」だと言う人もいることでしょう。もちろん否定はしません。但し、勘違いしてはいけないのは、社会は「大学名」や「企業名」を見て「すごい」と言っているのであって(本当にそう言っているかもわかりませんが)、あなたがすごいとは言っていないのです。

社会に出ればわかりますが、大企業の看板でみんなは一目を置くわけで、辞めて大企業の看板がなくなった時点でただの人になってしまうのです。大学名も同じです。50才になって東大卒などと自慢している人は、その後の社会経験はどうなの?となってしまうわけで、痛い大人と言えます。ケンブリッジ大学卒の友人は会う人に「すごいですね」必ず言われるそうです。本人は、「もううんざり、毎年卒業生がいるのだから、そんな奴は世の中にいっぱいいるよ」と言っていました。

日本の企業で出世しても世界に注目されるわけでもなく、まわりがよいしょしてくれる程度で、自己満足にすぎません。ほとんどの大企業はの顔の見えない経営者ですから、社長なんて誰でもいいのです。ソフトバンクは孫正義氏という顔の見える経営者ですが、ドコモ、AUはどうでしょうか?

負け犬の遠吠えのように聞こえるかもしれませんが、「競争しない」「普通を目指さない」を実践すれば、だいぶ気が楽になるのではないでしょうか?基本的に比較をすると人は不幸になるのです。お金、名誉、地位など、様々な尺度があると思いますが、自分が幸せ、家族が幸せ、愛する人が幸せであれば良しとするのも、ひとつの考え方です。モノの見方を増やすということは人生において大切なことだと思います。

成功するにはいくつかの秘訣がある。これは間違いなさそうです。”8 Secrets of Success” で示されているのは以下8つです。

  1. Passion
  2. Work
  3. Get Good
  4. Push
  5. Support
  6. Serve
  7. Ideas
  8. Persistence

一部重複しているようにも思えますが、それはさておき、個人的にはLuck(運)が占める割合が非常に大きいように思います。いくら8つの要素が揃ったとしても時流に逆らうようなものであれば受け入れてもらえないでしょう。多くの有名な芸術家が認められたのは、死後であることを忘れてはなりません。故松下幸之助もその著書の中で「運」は大切だと繰り返し述べています。運であれば努力はいらないじゃないか!と思うかもしれませんが、やはり努力は必要です。努力した上に、運も必要だということです。「運」は勝手に巡ってくるものと思われていますが、努力をして引き寄せるという側面もあります。

昔からGive and Takeと言いますが、現代はGive and Giveと言います。しかし、これはプロセスの始めと終わりのどちらを見るかだけの違いで本質的には同じことです。問題はGive and Giveの時点です。どこまでgiveし続けられるかという余力の問題になるので、体力(資本)のある人が勝つと決まっているのです。

【推薦図書】

世界でもっとも貧しい大統領 ホセ・ムヒカの言葉 佐藤美由紀

史上最強の哲学入門  飲茶

武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50 山口 周

哲学と宗教全史 出口 治明

自分の頭で考えたい人のための15分間哲学教室 アン・ルーニー, 田口未和他

以下、翻訳本もあります。英語が苦手な人は併読すると良いかもしれません。私は、あまり意味が分からなくても英語で何度も読むことをお勧めします。

The World Is Flat : A Brief History of the Twenty-first Century /  Thomas L. Friedman

Justice: What’s the Right Thing to Do? / Michael J. Sandel

The Lexus and the Olive Tree: Understanding Globalization / Thomas L. Friedman

Guns, Germs and Steel: A short history of everybody for the last 13,000 years / Jared Diamond

Sapiens: A Brief History of Humankind / Yuval Noah Harari

幸せつながりで紹介させてもらうとウイルスミス主演「幸せのちから」もぜひ見ていただきたいと思います。

働き方を考えるにはマイケルムーア「世界侵略のススメ」が良いと思います。学生に見せると反響が大きいドキュメンタリーのひとつです。誇張しすぎていたり、一般化しすぎていたりする欠点はありますが、楽しめると思います。