1番と2番の差は、2番と3番の差よりもはるかに大きい

4年に1度のオリンピック。たった数日のために、あるいは数秒のために血の滲むような努力をして銀メダルや銅メダルを獲る。メディアは称賛しますが、本人は心の中で泣いているのではないかと思います。上には上がいること、努力だけではどうにもならないことがあることを知るのには良いかも知れませんが、金メダルを獲れなかった、つまり一番になれなかった事実は努力の分だけ受け入れにくく、その悔しさも想像を絶するものだと思います。

タイトルにあるように、1番と2番の差は、2番と3番の差よりもはるかに大きいのです。極言すれば、2番は存在しないのと同じで、1番とそれ以外と言えるかもしれません。そこまで言わなくても良いのではないかと思うかも知れませんが、試しに以下の質問に答えてみてください。1番とそれ以外の差が分かるはずです。

1.日本で2番目に高い山は?

2.世界で2番目に高い山は?

3.世界で2番目に小さな国は?

4.世界で2番目に大きな湖は?

5.世界で2番目に深い海溝は?

いかがでしたでしょうか?一番であればおそらく答えられるものばかりだと思います。しかし2番となるとなかなか出てこないのではないでしょうか?

(正解)

1.日本で2番目に高い山は?

正解は北岳で3,193m。1位は言わずと知れた富士山で3,776mです。富士山が日本一高い山であることはほとんどの日本人が知っていますが、2番目に高い山を知っている人はそれほど多くありません。

2.世界で2番目に高い山は?

1位はエベレスト(チョモランマ)8,848m、2位はゴドウィンオースチン(K2)8,611mですが、エベレストしか知らない人も多いことでしょう。

3.世界で2番目に小さな国は?

バチカン0.44㎢、モナコ2㎢です。バチカンが世界一小さな国である事は有名ですが、2位はあまり知られていません。

4.世界で2番目に大きな湖は?

1位はスペリオル湖82,400平方メートル、2位はビクトリア湖68,800平方メートルです。こちらは1位があまり聞き覚えがなく、2位の方が聞き覚えがあるかもしれません。しかし1位は1位です。湖の大きさを計測するのは難しいと思いますが、こちらは差が顕著なので良しとしましょう。最近では消失する湖もあったりしますので、「一番小さい湖は?」と聞かれると、「消滅する寸前の湖」と答えるしかありません。

5.世界で2番目に深い海溝は?

1番はマリアナ海溝で10,924mです。2番はトンガ海溝で10,882mです。その差わずか42m。僅差で敗れています。観測技術が発達したので精度は高いと思いますが、地球のスケールから考えて誤差の範疇だと考えられなくもありません。しかし2位は2位。

いかがでしたか?全問正解できたでしょうか?総じて言えることは、1位は人の記憶に残り、それ以外は人の記憶に残らないということです。1番になることの大切さが理解出来たかと思います。

マラソン大会でも1位は注目を集めますが、2位以下は同等の注目度です。3位でも4位でも156位でも大して変わりません。それであればビリ(後ろから1番)の方が拍手ももらえて得な感じさえします。30回連続4位と言われてもインパクトはありませんが、30回連続ビリであれば話題になりそうです。

1位でなければという話をするたびに思い出すのが某議員の「2位ではダメなんですか?」という名言です。目的にもよりますが、2位ではダメなんです。

参考:外務省キッズ:https://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/ranking/men_s.html



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