リスニング

リスニングって難しいですよね。恥ずかしいお話ですが、私もネイティブ同士が本気で話している日常会話を100%理解するのは難しいですし、歌や雑踏の中でのリスニングは自信がありません。しかしながら入試や各種試験のリスニングはほぼ100%聞き取れます。ビジネス会話もほぼ100%聞き取ることが可能です。

なぜ聞き取れないか考えたことはありますか?日本では根性論が根付いていて、何度も繰り返し聞け!10,000時間リスニングしなさい!毎日ラジオ講座を聞きなさい!など科学をまったく無視した方法論が跋扈しています。

上記の私の聞き取れない例で言えば、ネイティブ同士の本機の会話が聞き取れないのはスピードに対する慣れが原因です。また、日常会話はビジネス会話とは異なりトピックが多岐にわたるため、話題転換や専門語彙、慣用表現不足などが原因で聞き取りにくいのです。歌は独特のイントネーションが聞き取りを難しくしています。また、機内アナウンスや空港でのアナウンスは雑踏の中でのリスニングに慣れていないから聞き取れないのです。

みなさんが学習する英語の音声はスタジオで録音された雑音のないクリアな音声です。日常で、雑音がまったくない状況で会話をすることはまずありませんので、この時点ですでに学習法としては間違っているのです。雑音のある状況でリスニング練習すべきです。

また、市販のイントネーションは不自然です。通常、会話には感情が入ります。書籍付属の録音された音声はその感情がなく、淡々と機械的に読み上げられているのです。駅のアナウンスの合成音声と何ら変わりはありません。

もちろん、感情の50%程度はノンバーバル(非言語)と言われていますので、音だけでは不十分ではあります。電話が聞き取りにくいのは、このノンバーバルが見えないからです。それはさておき、感情が入った会話を聞き取る練習をすると、実用的なリスニング力が身につくと思います。

また、書籍などの音声はプロのナレーターが吹き込んでいます。日本在住のプロのネイティブナレーターはそれほど多くありません。結果として限られた人の発音しか聞いていないことになります。発音は人によってかなりの癖があります。リスニングの実力をアップするためには、様々な人の発音を聞いて聞き取れる音声の幅を広げる必要があります。子供の英語が聞き取れないとか、老人の発音が聞き取れないというのは、いつも同じ人の発音ばかり聞いていて聞き取れる音声の幅が狭いからです。

結局、何をしたら良いのでしょうか?まずは暗記です。リスニングは何時間聞いても勝手にできるようになるわけではありません。音を暗記するのです。音を暗記すれば聞き取れます。

たとえば私が皆さんに見えない状態でピアノの鍵盤をひとつ叩いたとします。その音が何の音であるかは音を覚えている人しか答えることができないはずです。絶対音感がある人は例外です。「ド」の音を覚えていれば「ド」と答えられます。和音も同じです。

ですから、音を暗記すればリスニングができない問題はすぐさま解決します。では、具体的にどのようにして練習していけば良いのでしょうか?私が最もお勧めする方法は洋画を英語字幕で見ることです。もちろん音声は英語です。この練習をすると文字と音が合っているか確認することができます。

まず、ざっくりとした認識としてはみなさんが思っている音の長さよりもずっと短くなります。リスニングに影響を及ぼす主な原因は以下3つです。

音節

リエゾンとエリジョン

イントネーション

別の機会に詳しく説明しますのでここでは簡単に。

まずは音節について説明します。音節は音楽で言うところの拍です。2音節であれば2拍で発音します。

「水」を「ウォーター」ではなく「ワラー」と発音すると通じるのは良く知られた事実です。音節の数が違うと同じ単語とは判定できないのです。「恋」と「行為」、「鯛」と「単位」が異なるのと同じことです。発音も大切なのですが、いくら発音が正しくても音節が異なると別の単語になってしまうのです。ほとんどの場合、みなさんが思っている音節数よりも実際の音節数の方が短いです。

例)

wa・ter

リエゾン(リンキング)は音がつながる現象で、エリジョンは音が消える現象です。いずれも結果として音が短くなります。

リエゾンは子音で終わる単語と母音で始まる単語がつながり、ローマ字の発音になることです。(実際は少し異なりますが、とりあえずこのように覚えておいてください。)

例)

an apple→anapple アナポー

put on→puton *このケースではタ行はラ行に変わるので「プットン」ではなく「プッロン」

エリジョンは同じ音もしくは似ている音が連続したときに前の音が消える現象です。本当はさまざまなバリエーションがありますが、とりあえずこのように覚えておいてください。

例)

best tea *bestのtは発音されません。

would teach  *wouldのdは発音されません。dとtは似ている音のため同じ音が続いたものとして処理されます。

最後にイントネーションです。英文を読むときは強弱のリズムをつけて読みます。弱いところは聞こえなくなる(発音されない)ことがよくあります。

What do you want?

Whatとwantを強く読みます。doには意味がありませんからほぼ聞こえません。

別の機会に詳しく説明しますので、まずはこれくらいおさえておけばよいでしょう。